2026.9.1

お仕事

「アナウンサーが伝える命を守る防災おはなし会」初開催!首都圏でも伝える続ける覚悟 踏み出した第一歩

2026年7月11日(土)第一回となる「命を守る防災防災おはなし会」を無事に開催することができました。定員を超えるお客様(47人)にご参加いただき、90分間、災害から命を守るためのお話をお聴きいただきました。子どもたちもたくさん参加してくださり、下は5才から中学生まで、長時間にも関わらず最後まで真剣なまなざしで聞いてくれたことに心から感動しています。

私は仙台でアナウンサーをしていた時に大震災を経験しました。故郷は福島です。被災地取材では大津波で大切な人を亡くした方々や故郷や家を流された方々など、数えきれないほどの人々にお話をうかがってきました。皆さんにとって人生でこれ以上ないというほどつらい状況で、私が向けたマイクにたくさんの人々が想いを託してくださいました。

だからこそテレビ局を退職したからといって、宮城を離れた人間だからといって、「伝える」ことを辞める選択肢は私にはありませんでした。

幸い「声で伝える」仕事を今も続けられています。一人でも、朗読や講演という形でこれからも伝えていく…、その覚悟が「防災おはなし会」という企画立案でした。そして、7月11日は緊張の初開催となったのです。

プログラムは3部構成。「アナウンサー」として、「防災士」として、「母親」として、それぞれの視点を組み合わせて「防災」についてお話ししました。

第一部「局アナとして経験した東日本大震災」では、私が仙台で体感した震度6強の揺れのリアルな状況と「大地震から命を守る方法」について、防災士としての知識も交えて講演。そのあと大津波の威力について、取材した津波被災地の直後の様子についてお話しし、避難所や在宅避難されていた方々へのインタビュー取材をもとに、備蓄品の見直しについて提案させていただきました。

第二部「防災〇✕クイズ」。私の息子がクイズ好きということから発案。いくつか例題を挙げますと…

Q1:自宅で大地震が起きた時に身の安全をはかれる場所は「台所」である?〇か?×か?

Q2:津波が陸を駆け上がるときの速さは時速10kmである?〇か?✕か?

みなさん?分かりますか?特に子供たちに災害に関する知識に触れてもらいたくて企画しました。クイズに参加してくれた子供たちには「ねえ、知っている?家の中で地震が来たら、〇〇に避難するのが安全なんだよ!」などと、お友達や家族にお話ししてほしいなあと思っています。普段の会話の中に「防災」というキーワードがもっと自然に出てくる…そんな世の中になるといいなあと願っています。ちなみに例題の答えはブログの最後にお示ししますね。

第三部は朗読「はなちゃんのランドセル けんとくんのジャンパー」を披露。石巻市の大川小学校に通っていた息子を津波で亡くし、娘が行方不明となっているお父さんとお母さんへのインタビュー取材を元に、私とお母さんとで書き上げた文章を朗読しました。

当時小学6年生だった鈴木堅登(けんと)くん。当時12才。妹思いで優しい男の子でした。将来の夢であるレントゲン技師を目指して、仙台の私立中学を受験し、見事合格。中学生になるのを楽しみにしていました。

妹の鈴木巴那(はな)ちゃんは、当時9才、小学4年生でした。英語とピアノが大好き。いつか海外でホームステイをして、ホストファミリーにピアノで弾けるようになった「エリーゼのために」を披露するんだと話していたそうです。

震災の翌年にお母さんが見つけた堅登くんのジャンパー。左の袖口はちぎれた状態で見つかりました。一方、お父さんが見つけた巴那ちゃんのランドセル。津波に巻き込まれ、2階建ての校舎の屋根の上で泥だらけの状態でみつかったそうです。このジャンパーとランドセルは二人が生きてきた証そのもの。数行の文章ではとても語り切れない、確かに二人が生きてきた「命の証」を伝えたいと思ったのが「朗読」を企画したきっかけでした。

私は防災の原点は「大切な人の命を守りたい」という想いだと考えています。そのためにこれまでの災害でどんな被害が出たのかを知り、どんなに悲しい思いをした人々がいらっしゃるのかということに触れ、「命の大切さ」を心で感じることが大切だと思っています。

当日は私がお母さんに成り代わり、宮城の言葉でインタビューの場面をそのまま再現する形で朗読し、お母さんとお父さんの想いをお伝えしました。

聞いてくださったお客様のご感想を少しだけご紹介します。

「当時、日本中が大混乱して、私も余震の中不安な日々を過ごしたことを思い出しました。けれど、津波の被害はテレビの情報だけだったので、今日のお話しを聞いて私も疑似体験をしたような感覚になりました。まだ震災は終わっていないような気持ちになりました。」

「ご遺族の方の思いをこれほど深く考えることはなかったと思います。貴重な機会をいただき、ありがとうございました。」

「悩まれながら内容と話し方を練られていたのを感じました。考え続けることが大事と思いました。」

「東日本大震災を経験していない子ども達に、日頃から防災について考えることの大切さを分かってもらえたと思う。」

たくさんのご感想をいただき、本当にありがとうございます。「命の大切さ」と「災害への備え」。伝えたいと思っていて伝えられたこと、足りなかったこと、改善点などいろいろと見えてきたので、早速、2回目以降の開催に向けて動きます。伝え続けることが何より大事だと思っています。

最後に、「おはなし会」企画に心を寄せてくださり、会場を貸し出してくださったコスモプラス株式会社の皆様、会場スタッフとして応援に駆けつけてくださったナレーターの大福さん、とちぎテレビの 須賀由美子アナウンサー、さらにお客様へのお土産として、私の実母(81才)も猫クリップ 70匹!!を手作りしてくれました。
たくさんの方々に支えられて、私は語ることができています。
皆様、本当にありがとうございました。

※例題の答え…Q1:「✕」 大地震発生時、台所は戸棚の食器や火にかけていた鍋ややかん、包丁などが飛んできてケガやヤケドをする恐れがあり危険。家の中にいて大地震が発生したら、頑丈なテーブルや机の下、倒れてきそうな家具や上から落ちてきそうな物のない部屋・空間などで頭と首を守ろう。

Q2:「×」 津波が陸を駆け上がるときの速さは時速30~40kmほど。一般道を走る自動車くらいの速さ。海や河口付近で大きな揺れに見舞われたら、また津波注意報・警報が発表されたら「すぐに、できるだけ、高い所へ避難」しよう。〆